沖縄・読谷村でスーパーを営む知花昌一さん。彼は村のタブーであった集団自決の事実を掘り起こし、そして1987年の沖縄国体で、ソフトボール会場に掲揚された日の丸を引き下ろし、焼き捨てた。
近くの楚辺通信所、通称「象のオリ」は、米軍の傍受施設だ。知花さんはこの中に土地をもっている。1996年、米軍の借用期限が切れ、返還を求めて提訴。その結果、わずか2回、2時間ずつではあるが、立ち入りが許可された。19年ぶりに家族と共に自分の土地にはいるという、当たり前のことがかなった、喜びの瞬間。
彼は、知的障害のある長女を含む、三児の父親である。地元に根を張り、両親と妻と子どもたちと生活する普通の家族。その知花家を通して見た沖縄。